※各指標の定義・根拠・出典等については、こちらのページをご覧ください。
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「入学段階では、どちらが優秀な学生が集まっているか」
項目名 | 数値単位 | 数値年度 | 京都産業大学 経営学部 | 甲南大学 経営学部 |
大学全体の学部生数(人) | 大学 | 2015 | 12888 | 9048 |
学部の学生数(人) | 学部 | 2015 | 2846 | 1662 |
入試難易度(河合塾) | 学部 | 2016 | 45 | 50 |
入試難易度(駿台) | 学部 | 2016 | 45 | 48 |
入試難易度(ベネッセ) | 学部 | 2016 | 54 | 59 |
入学者数(人) | 学部 | 2016 | 613 | 410 |
競争入試での入学者(人) | 学部 | 2016 | 299 | 178 |
競争入試の割合(%) | 学部 | 2016 | 48.8% | 43.4% |
現役入学者の比率(%) | 学部 | 2016 | 91.8 | 95.6 |
入試難易度は3社とも甲南大経営学部が上の数値を出している。「優秀な学生が集まっているか」という観点からは、甲南大経営学部に軍配が上がる。
なお、偏差値操作の手法として用いられる、「競争入試の割合」については、京都産業大経営学部がやや高い。したがって、予備校の難易度ほどの差はないとみてもいいかもしれない。
(一般入試、センター試験利用入試などの「競争入試」で入学する学生の方が、推薦入試や附属高上がりの学生よりも学力が高いケースが多く、競争入試の割合を下げることにより偏差値を高く見せる大学もあるため、本ブログでは、「競争入試の割合」を比較するようにしている。)
「費用対効果はどちらが高いか」
項目名 | 数値単位 | 数値年度 | 京都産業大学 経営学部 | 甲南大学 経営学部 |
4年間でかかる学費(万円) | 学部 | 2015 | 398 | 389 |
学生還元率(%) | 大学 | 2015 | 33.60% | 32.30% |
奨学費(円) | 大学 | 2015 | 360,491,399 | 122,888,962 |
学生一人当たりの奨学費(円) | 大学 | 2015 | 27971 | 13,582 |
卒業率(%) | 学部 | 2014 | 76.1 | 85.8 |
最寄駅の平均家賃(万円) | 2016 | 4~4.5 | 3.5~4 |
4年間でかかる学費については、甲南大経営学部が9万円ほど安い(学科や専攻によって学費が違う可能性があるため、詳細な比較は各大学のホームページをご確認いただきたい)。
一方、学生還元率はほぼ互角、一人当たりの奨学費については京都産業大が勝っている。「学費をどのくらい学生のためにつかっているか」という観点では、やや京都産業大が優勢といえる。
なお、キャンパス周辺の家賃を比較してみると、甲南大の方がやや安い。
また、留年リスク(4年間で卒業できない比率)については、9%ほど京都産業大経営学部が高い。この差は無視できない差である。
上記を総合すると、コストパフォーマンス面をトータルで考えると、甲南大経営学部が優位といえる。
「どちらの大学が充実した学生生活を過ごせるか」
項目名 | 数値単位 | 数値年度 | 京都産業大学 経営学部 | 甲南大学 経営学部 |
キャンパス | 学部 | 2016 | 神山【中間型】 | 岡本【中間型】 |
1年以内退学率(%) | 学部 | 2014 | 0.5 | 0.5 |
4年間退学率(%) | 学部 | 2014 | 6.5 | 4.9 |
入学者の地元占有率(%) | 学部 | 2016 | 28.7 | 69.8 |
女子入学者の割合(%) | 学部 | 2016 | 33.8 | 41.7 |
大学全体の女子学生数(人) | 大学 | 2016 | 4012 | 3617.0 |
大学全体の男子学生数(人) | 大学 | 2016 | 8794 | 5412 |
大学全体の女子学生比率(%) | 大学 | 2016 | 31.30% | 40.10% |
女性ファッション誌登場人数(人) | 大学 | 2011 | 数値なし (2人以下) | 6 |
受入留学生数(人) | 学部 | 2015 | 51 | 0 |
留学生比率 (留学生数/全学生数) | 学部 | 2016 | 1.80% | 0.00% |
長期留学派遣学生数(人) | 大学 | 2015 | 96 | 41 |
長期留学派遣の割合(%) | 大学 | 2015 | 3.00% | 1.80% |
ST比(人) | 学部 | 2015 | 73 | 66.5 |
専任教員数(人) | 学部 | 2015 | 39 | 25 |
一人当たり貸出冊数(冊) | 大学 | 2015 | 11.3 | 3.7 |
<キャンパスの立地>
京都産業大経営学部は、京都市内の地下鉄国際会館駅からバスで約10分の「神山キャンパス」で4年間を過ごす。交通の便は良いとは言えないが、その分、広々したキャンパスで、周囲は京都の落ち着いた雰囲気を感じつつ、学生生活を送ることができる。付近に店はあまりないため、歓楽街などはキャンパスから少し離れた場所まで繰り出すことになるが、京都市内の大学の大半は同じなので、デメリットではないだろう。
一方、甲南大学は、一言で言うとオシャレなキャンパス。阪急神戸線の岡本駅かJR神戸線の摂津本山駅から徒歩10分の「岡本キャンパス」で4年間を過ごす。周囲にはオシャレな店が並んでおり、キャンパス界隈がオシャレな大学のイメージそのものといっていいだろう。
キャンパスを比較すると、どちらもポテンシャルが高く、甲乙つけがたい。結局は、京都と神戸のどちらが良いかであろう。価値観によってどちらで大学生活を送りたいかという判断は異なるため、実際に足を運んで自分の目で確かめることをお勧めする。
<ドロップアウトリスク>
続いて、誰しも避けては通れない、ドロップアウトのリスク。せっかく頑張って勉強して大学に入学したのに、退学してしまっては元も子もない。双方とも大規模大学であるため、退学率は注視すべきデータであるが、4年トータルでは、甲南大経営学部が低い。
<学生の属性>
学生の属性を比較していくと、女子学生比率は学部単位、大学単位の双方とも甲南大が高い。
一方で、留学生比率については、京都産業大経営学部が勝っており、国際的な学習環境は京都産業大経営学部が優位に立っている。
<教育面>
教育面を比較していくと、現在、各大学が競うように力を入れている「留学」については、京都産業大に軍配が上がる。先輩の学生が留学に行っている割合が多ければ、自然と留学が身近になるため、もし留学をしたいと考えているのであれば、注目したい数値であり、一つの判断材料にもなりうるだろう。
次に、専任教員一人当たりの学生数(ST比)を比較すると、甲南大経営学部が少ない。しかし、どちらも数値が高めであり「少人数教育」の環境が整っているとは言えない状況だ。
なお、学生がどれだけ勉強しているかの指標の一つである「一人当たりの貸出冊数」については、京都産業大の方が勝っている。甲南大の冊数の少なさは、マイナスポイントであるだろう。
その他の比較としては、大学通信社による2014年度「入学後、生徒の満足度が高い大学」ランキング(進学校の進路指導教員が投票することで選定)において、京都産業大は47位(11ポイント)、甲南大はランク外(53位以下)となっている。高校からの評価では、京都産業大がやや優位のようだ。
上記を総合すると、充実したキャンパスライフという観点から見ると、甲乙つけがたく、ほぼ互角といえるだろう。
「どちらが幸せな人生を送れる進路に進めるか」
項目名 | 数値単位 | 数値年度 | 京都産業大学 経営学部 | 甲南大学 経営学部 |
主要企業400社への就職率(%) | 大学 | 2016 | 11.7 | 16.5 |
卒業生数(人) | 学部 | 2015 | 644 | 388 |
進学者数(人) | 学部 | 2015 | 9 | 2 |
進学率(%) | 学部 | 2015 | 1.40% | 0.50% |
公務員就職者数(人) | 学部 | 2015 | 24 | 7 |
公務員就職比率(%) | 学部 | 2015 | 3.70% | 1.80% |
警察官就職者数(人) | 大学 | 2015 | 71 | 29 |
国家公務員総合職(人) | 大学 | 2015 | 数値なし (1人以下) | 数値なし (1人以下) |
CA採用数(人) | 大学 | 2014 | 数値なし (8人以下) | 数値なし (8人以下) |
国会議員の数(人) | 大学 | 2015 | 0 | 0 |
上場企業の社長数(人) | 学部 | 2006 | 数値なし (5人以下) | 7 |
社長の数(人) | 大学 | 2015 | 2136 | 2683 |
社長になりやすさ (社長の数/学生数) | 大学 | 2015 | 0.17 | 0.3 |
上場企業の役員数(人) | 学部 | 2006 | 数値なし (46人以下) | 数値なし (46人以下) |
上場企業の役員数(人) | 大学 | 2015 | 87 | 127 |
上場企業の役員になりやすさ (上場企業役員数/学生数) | 大学 | 2015 | 0.007 | 0.014 |
<大企業に入りたい>
大企業社員として就職すれば、身分は安定し、給与・福利厚生などの待遇面での心配も少ない。その意味で、主要400社への就職率を比較材料として示しているが、甲南大が5%程度高い数値を誇っており、京都産業大と比較して優れているといえる。
<公務員になりたい>
学部単体の公務員就職比率は、京都産業大経営学部の方が高い数字を誇っている。公務員就職については、京都産業大経営学部が優位といっていいだろう。
<主要な就職先の比較>
京都産業大学 経営学部 | 甲南大学 経営学部 |
日本郵政グループ | 三井住友銀行 |
京都銀行 | 大和ハウス工業 |
大和ハウス工業 | 尼崎信用金庫 |
滋賀銀行 | 但馬銀行 |
三井住友銀行 | 播州信用金庫 |
関西アーバン銀行 | ニトリホールディングス |
キューピー | 青山商事 |
財務専門官 | 百十四銀行 |
塩野義製薬 | 兵庫信用金庫 |
村田製作所 | みなと銀行 |
主要就職先は、双方とも金融機関が多くなっている。両者に明確な違いは見られず、主要就職先の比較において優劣はつけられない。
<出世した先輩の多さ>
先輩がどの程度、出世しているかを比較すると、社長輩出率、役員輩出率とも甲南大が上の数字となっており、学閥的には甲南大が優位と考えていいだろう。
<どちらの大学が頑張って「改革」しているか>
項目名 | 数値単位 | 数値年度 | 京都産業大学 経営学部 | 甲南大学 経営学部 |
国からの特別補助金支給額 (千円) | 大学 | 2015 | 225,533 | 199,339 |
学生一人当たり 特別補助金支給額(千円) | 大学 | 2015 | 17 | 22 |
大学教育の現場では、随分前から「改革の必要性」が叫ばれている(大手大学ほど、その改革が進んでいないともいわれる…)。その観点でどちらが頑張って「改革」しているかを、最後に見てみたい。扱うデータは、改革を行っている大学に国から支給される「特別補助金」の額である。
この数値を比較すると、甲南大が僅かに勝っており、改革面ではやや優位に立っている。
<まとめ>
以上、京都産業大経営学部と甲南大経営学部を比較してみてきた。全体としては、互角に近いが、やや甲南大経営学部が優位といっていいだろう。キャンパスの立地の項でも書いたが、実際に両校のキャンパスを訪問してみて、どちらが自分にとってより充実した学生生活を送れるかイメージした上で進学する大学を選択すると良いだろう。