ブログに関するQ&A

<ブログに関するQ&A>


Q.特定の数値だけで比較するのはおかしくないか?大学選択はその人の価値観によるのでは?

A.大学選択にあたって、何を重視するか等、大学を選ぶ基準はその人の持つ価値観によって異なるのは間違いありません。しかし「その人の価値観次第」という言葉で片づけるのは乱暴だとも思っています。このブログでの大きな評価軸として「充実した学生生活、幸福な人生を歩むためにはどちらの大学が良いか」という観点を持つようにし、その判断材料を提供することを心がけています。
 その上で、具体的な視点としては、「多様で優秀な学生が集まっているか」、「進学コストは高すぎないか」、「教育に真摯に取り組んでいるか」、「大学卒業後、どのような進路に進んでいるか」、「大学が改革に熱心であるか」等を比較することとしています。これらの項目ついては、人の価値観によってほとんど左右されない項目(多くの人は優秀な学生が集まる大学に行きたがる等)であり、また、同じ基準を使っての比較が容易です。もちろん、これらが大学選択の判断基準の全てではなく、ほんのわずかの要素でしかありませんが、読者の参考になれば幸いです。


Q.「大学選択」は果たして本当に重要な決断なのか?少し大げさではないか?本当に重要なのは大学に入学してからでは?

A.人によって考え方は異なるでしょうが、筆者自身の経験上は重要な決断を要しました。別の大学を選んでいれば、確実に違う人生(住む場所、職業)を歩んでいたと思うからです。
 しかし一方で「大学に入学してからが重要」という考え方は、100%賛同しています。大学の学びは自主性が重んじられており、どの科目を履修登録するか等、いろいろな選択を迫られます。いくら教育力が高い大学に進学したとしても、いわゆる「楽勝科目」ばかり履修して卒業する場合と、「難関科目」や「アクティブ・ラーニング科目」など労力を要する科目にチャレンジした上で卒業するのでは雲泥の差があります。法政大学キャリアデザイン学部の筒井美紀氏は著書で「大学選びよりゼミ選びが100倍大切」とさえ言っているほどで、もっともな考え方だと思います。したがって、本ブログではあくまで「大学選択時の判断」のみに限ってご活用いただければと思っています。


Q.大学の役割は教育だけではないのではないか?

A.このブログのターゲットは「受験生」(およびその親など)としています。したがって、このブログでの比較は、原則として「教育を受ける学生」として関心のある評価指標だけに厳選することとしています。大学業界では様々な評価指標が使用されており、例えば大学の役割として「研究」はとても重要な要素でありますが、筆者の経験上、研究力がある大学が「教育力」があるとは限りません。そのような相関関係が不明な指標はできる限り使用しないこととします。


Q.恣意的な比較が入っているような気がするが?

A.学歴論争はとかく感情的になりがちで、ある人から見れば、筆者の分析が恣意的に感じることがあるかもしれません。そのようなことができる限りないよう、明確な根拠(指標)に基づき比較することとしたいと思っています。また、大学の規模などで有利不利が出ないよう、できる限り条件をそろえることを心がけています。
 一方で、筆者自身、実際の大学選択の際は「フィーリング」も大切であると感じているのも事実で、評価指標による比較が万能であるとは思っていません。実際にキャンパスに足を運んで、大学の雰囲気を肌で感じることも重要だと考えていますので、あくまで当ブログの内容は判断材料の一つとしてご利用いただければと思っています。


Q.なぜ学部ごとの比較なのか?

A.大学受験は、大学に受かるのではなく、「学部に受かる」ケースがほとんどです。大学ごとの比較のみでは、受験生の進学先選択に充分な情報を提供できないと考えたため、学部ごとに比較しています。有り体に言うと、早稲田大の下位学部と中央大学法学部に両方受かったらどっちを選ぶかというような事例にも対応したいのです。
 また、大学全体の数値と学部単体の数値にかい離があるケースも散見されており、大手大の中にはいわゆる「お荷物学部」があったりします。例えば、国際的なイメージが強い大学において、すべての学部において国際化が進んでいるとは限らず、特定の学部のみ国際化されているのであれば、それ以外の学部に進学しても国際的な感覚は身につかなかったりします。そのようなババを引くことがないよう、学部で比較できる数値については学部単体の数値で比較したいと思っています。


Q.偏差値グループにこだわりすぎではないか?

A.世の中には、難関大を優遇する「学歴フィルター」が存在するのは疑いのない事実で、就職だけでなく結婚などのライフイベントの際にも学歴が影響する場合があります。もちろん、その人の価値観により、偏差値を無視した大学選択を行っても良いと思いますが、当ブログの評価軸が「充実した学生生活、幸福な人生を歩むためにはどちらの大学が良いか」というものですので、例えばMARCHと日東駒専の双方に受かる力があれば、MARCHへの進学を前提に考えています。


Q.「教育」を重視するのであれば、各大学の教育内容(カリキュラム等)を比較するのが筋ではないか?

A.教育内容は非常に重要な要素ですが、同じ基準での比較が難しいことから、比較対象から除いています。一方で、大学教育の現場では、「大学の学校化」「大学生の生徒化」(昔でいう高校レベルでの教育を大学教育が担うようになること)に伴い、教育内容は標準化する傾向が現れており、大学間の差が見えにくくなっているのも事実です。その中で、各大学ともインターンシップ、留学プログラム、PBLなどのアクティブ・ラーニング等で特色ある教育内容を提供しようと努力していますが、そこで得られるスキル・能力などは各大学では大差がなく、大学選択の大きな判断材料にはならないと考えています。


Q.「教育」だけでなく、研究実績など大学で行われている「研究」についても比較をすべきではないか?

A.このブログのターゲットは「受験生」(およびその親など)としています。したがって、このブログでの比較は、原則として「教育を受ける学生」として関心のある評価指標だけに厳選することとしています。「研究力」も大学を評価する大きな要素であるのは間違いありません。しかし一方で、大学の役割が流動化する中、大学の現場では「教育」と「研究」のリバランスが進行中で、研究が素晴らしければ教育も良いとは言えなくなってきています。「良い研究者は良い教育者である」という一面もあるのは事実ですが、以前より研究分野が細分化しているなか、「研究」と実社会で求められる能力の差が開いている部分もあります。「研究」がそのまま「教育」に結び付かないケースが増えており、このサイトでは、あえて「研究」については比較対象から除いています。


Q.なぜ志願者数の比較を行わないのか?大学の人気度が分かる「志願者数」は大きな判断材料になるのではないか?

A.マスコミなどでは志願者数ランキングが報道され、大学関係者の中でもそれを気にして志願者数確保に躍起になっているのは事実です。
 しかし一方で、一部の大学では「併願すれば片方の受験料は無料」などにする措置を講じたり、入試方式の数をやたらと増やして、志願者数を確保しています。
 そのような措置を行っていない大学からしてみれば、その行為は「志願者の水増し」とも受け取られています。したがって、志願者数の多寡をもって、大学を比較するのは「大学選択の判断材料」としては相応しくないと考えています。


Q.キャンパスの立地の比較では、「都会の方が優れている」というような考え方を取っているようだが、それは偏った見方ではないか。

A.キャンパスの立地については、様々な議論があることは承知しています。個人的には郊外型キャンパスの魅力もかなり高いと思いますが、明らかに都市型キャンパスが勝っている点として、社会との接点や他大学との交流が挙げられます。大学時代はできるだけ多様な価値観に触れ、大学時代にしかできない経験をどれだけつめるかが重要であり、それを提供する「場」をどれだけ与えられているかが、その大学の価値だと思っています。「都市型キャンパス」を優位と考える理由はそこにあります。
 ただし、この考え方は時代によって変遷していくものであり、過去には郊外型キャンパスがもてはやされた時期もありますし、少し前には高層ビルによる「ビル型キャンパス」が流行りました。現在の主流は「都市部にありながら、10~15階程度の背が高すぎない建物」が主流になっているように思われます。このブログでもできるだけ、受験生側のニーズや大学業界全体の流行をキャッチアップしていきたいと思っています。


Q.各大学の退学率について評価が厳しすぎではないか。4年退学率10%は決してひどい数値ではないのではないか。

A.確かにひと昔前までは、4年で1割が大学を辞めるというのが大学業界の考え方でした。そのため、各私立大学は募集定員の1.1倍の入学者を迎え入れていたという論理がありました(今考えるとひどい考え方ですが…)。
 しかし、世は変わり、今では「大学は全学生についてきっちり卒業させる義務を負っている」という考え方が主流になってきています。淘汰していくのではなく、入学させたのだから、大学はその学生の成長を支える義務があるという考え方です。
したがって、本ブログでもその考え方に賛同した上で、退学率について、かなり厳しく評価しています。
 なお、あくまでも感覚的なものですが、退学率のイメージとしては、GMARCH関関同立クラスは、各学年で1%で4年間退学率が4%、日東駒専産近甲龍クラスはその倍くらいが目安となっているような気がします。2大学間の比較だけでなく、そのあたりの数値と比べて高いか低いかを見ると良いかもしれません。


Q.各大学がやっていることは、ほとんど変わらないのでは?

A.非常に痛い質問です…。大きなくくりで言えば「変わらない」といっても差支えがありませんが、その中でも違いを探していくことを心がけています。その上で、その「違い」は、大学選択の際に考慮すべきものなのか、ということも述べていきたいと思います。しかし一方で、大学は装置産業と言われており、「最後は立地」ということになるのかもしれません(それを言うと元も子もありませんが…)。


Q.なぜ大規模私立大学同士の比較だけなのか?国立大や小規模大学は?

A.できるだけ多くの方に参考になることを目指していることから、最初は学生数が多い大学同士の比較を進めています。一方で、国立大学と私立大学の比較も重要かと思いますので、追って分析を進めていくつもりです。